飲食店を経営する上で一番大切なのは儲かること。
つまり利益を上げることです。
そのためにはまず「今日現在いくら利益が出ているのか?」を知っておく必要があります。
【正確な利益】は月ごとに計算しますが、【現在の利益】を知ることが大切です。
現在の経営状況を知っていればどこに問題があって、何に取り組めばいいのかが明確になります。
利益を知る上で一番やってはいけないのが「どんぶり勘定」。
「売上から業者さんに支払を済ませて、残ったものが利益」
という粗い考えでは絶対に経営は成り立ちません。
利益は毎日の売上や仕入れなどの数字を把握していれば、簡単な計算式で導き出せます。
今どのくらいの利益なの?利益を手っ取り早く知る方法
利益の計算方法の前に、実際の現場で役立つ「F/Lコストコントロール表(以下F/L表)」を紹介させてもらいます。
利益の計算の方法自体は簡単ですが、毎日いちいち手計算するのは意外と面倒なもの。
この表を使えば日々の作業を少しでも軽減することができるでしょう。
※エクセルで作成していますのでパソコンorスマホなどが必要です。
F/L表を使って利益を知る方法
表にはいろんな項目がありますがここでは「現在の予測利益を知る方法」だけをご紹介します。
毎月一回。月初までの作業
打ち込む場所は色の付いていないセルだけです。
色の付いたセルは自動で計算された数字が入ります。
上の画像の赤丸の中の数字を打ち込みます。
- アルバイト平均時給:人件費を「アルバイトの総時間数×平均時給」で計算するのに必要です。
- 社員給与計:労働時間に関わらず発生する毎月固定の給料
- その月の日数:3月なら31日。4月なら30日。営業日数ではありません。
- 予測経費:前年や前月を参考にざっくりと
経費はあくまで予想で大丈夫です。
後から修正することもできますので、ざっくりわかる範囲で打ち込みましょう。
アルバイト時給は見た目上は反映されませんが、計算式に組み込まれています。
(毎日の作業でアルバイト時間を打ち込めば、人件費計に加算されていきます)
毎日の作業
上の画像赤枠の中をそれぞれ打ち込みます。
- 売上
一日の総売り上げを打ち込みます。
※ダウンロードした粗コン表はランチとディナーを分けて入力できるようにしてあります。
それぞれ打ち込めば一日の総売り上げが自動的に計算されます。 - 仕入れ
一番上の項目を自由に変更して使ってください。
※業者名や材料別に分けるといいでしょう。
それぞれ打ち込めば全体仕入金額が自動で計算されます。
合計した数字を一括で打ち込みことも可能です。 - P時間
その日のアルバイトさんの合計労働時間を打ち込みます。
時間×平均時給と日割り社員給料の合計で人件費計が自動で計算されます。
上の画像の一番左「予測利益」にFL表を打ち込んだ日までの「利益」が自動で計算されます。
利益を知るための各項目の意味と計算方法
FL表は数字を打ち込むだけで、自動で利益が計算されるようにできています。
では実際はどのように「利益」は計算するのでしょうか?
利益の計算は非常に単純です。
それを表したのが下の表。
それぞれの項目の意味
・売上
ランチ・ディナー・テイクアウトなどすべて含めた総売上です。
・仕入れ・原価
食材にかかる原価です。
・粗利益
売り上げから原価を引いた数値。
・人件費
社員・アルバイトの給料+交通費やまかない代なども含まれます。
・限界利益
粗利益から人件費を引いた数値です。
・F/Lコスト
売り上げに占める原価と人件費の割合です。
通常%で表されます。
飲食店のコスト管理はこの数値が非常に重要です。
・その他経費
大きく【変動費】と【固定費】に分けられます。
【変動費】
飲食店の売上や、使用量によって変動する費用
通信費・水道光熱費・広告宣伝費・修繕費などが挙げられます。
【固定費】
毎月変動しない費用
家賃や減価償却費が挙げられます。
・利益
正確には営業利益。
売り上げから全ての経費を引いた数値です。
日々「利益が今いくらなのか」を知ることは経営面で非常に大切なことです。
そのために
「売り上げがいくらあって」
「何にいくら使っているのか」
を正確に知ること。
特に売上・仕入れ・人件費はひと月まとめてではなく、その日その日計算することを継続する必要があります。
それができれば「何をどのように改善すれば利益が上がるのか」も見えてきます。
まずは利益がいくらなのか?とその計算方法を理解し、繁盛店を作る第一歩を踏み出しましょう。
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